【読書】僕は君たちに武器を配りたい

 滝本哲史氏が、資本主義を生きていくための考えを本にしたものを読んで考えたことを書き連ねていく。

 

 現在の資本主義社会では、産業変化のスピードが年々急速になっている。従来のサービスや商品が時代遅れになり、急速に消えていっている。
 新しいサービスや商品であっても、インターネットの発達により情報流通コストがほとんどゼロになった世界では、商品やサービスの差異(付加価値)が急速に差異でなくなる。(コモディティ化)


 例えば、Hulu、NetflixAmazon Prime Videoなど動画配信サービスが主流となっている。国内ではビデオレンタルのTSUTAYAが顧客を奪われ、多くの店舗が閉鎖している。動画配信サービスも多くのサービスが乱立していて、値段などで差異をつけるステージに来ているのかもしれない。
 他には、スマートフォンの普及により、旧来の携帯電話やカメラ、ウォークマンなど多くの人が持っていた商品が不用になった。スマートフォンも国内メーカは、国際競争には勝ておらず、Appleをはじめ中国や韓国メーカが主流となっている。

 

 このようにサービスや商品が急速にコモディティ化する社会では、今まで自分が積み重ねてきたスキルや知識もコモディティ化してしまう。つまり商品がコモディティ化すると、それに関わっている人間もコモディティ化する。
 商品がコモディティ化すると消費者に買い叩かれる。そして、人間がコモディティ化すると会社(資本家)に買い叩かれる。ここ十数年、実質賃金が緩やかに下落している理由の一つとしては、日本の産業の多くがコモディティ化しているため、人材もコモディティ化して買い叩かれているのだろう。これを防ぐためには、自分がコモディティ化しないように戦略を練って生きていく必要がある。

 

 コモディティ化を防ぐ方法として思いつくのは「スキルを身に着ける」ことだと考えられる。しかし、著者はその考えを否定する。世の中で近年もてはやされている「プログラミングやAIなどを勉強しても多くの人は、遅くないうちに書いたたかれてしまうのかもしれない。
 そもそも未来の不確定性が高い世の中では、多くの人が潜在的に不安を抱えている。スキルや資格などを推奨する勉強ブームは、それを実際に身に着けた効果よりも、勉強していることで不安を和らげる目的のほうが大きいのだろうか。

 

 このように状況が短期間に大きく変化する世の中で、楽しく生きていくにはどうするべきか。著者は資本主義社会で生き残っていく人材は、
①マーケター
②イノベーター
③リーダー
④インベスタ(投資家)
のいずれかだと述べている。それぞれ単独になるのではなく、状況と場合に応じてこれらを使い分けていく必要がある。

 以上を踏まえてどのように行動すべきかを後日考えてみる。